☆廃石膏ボードによる埋め立て後の硫化水素の発生について☆

 環境省より平成18年6月1日付けの通知によると、旧通知の文言のうち、「石膏ボードについては、
 紙が付着しているため安定型産業廃棄物から除外するものであり、付着している紙を取り除いた
 後の石膏については、従来どおり安定型最終処分場に埋め立てることが可能であること」
 という部分を削除した、との事です。

 これは、安定型処分場における硫化水素発生による作業員の死亡事故があったことにより、紙を
 除去した後でも、安定型処分場へ埋め立て処分を行った場合、高濃度の硫化水素が発生する
 恐れがあるとの事からであります。

 当社では分離後の石膏は、肥料原料、土壌改良剤原料として販売するほか、上層路盤材として
 再生利用する会社に処理を委託しており、安定型処分場へは処分を委託しておりません。
 ご安心していただくとともに、リサイクル石膏を使用した土壌改良剤では硫化水素の発生は起こら
 ないことの科学的根拠を下記に示させていただき、お客様への対応に利用していただければ幸い
 です。

 石膏の主成分は硫酸カルシウム(CaSO4)であり、これが硫酸還元菌の作用により硫化水素(H2S)
 が発生します。

  SO2-  +  10H+  →  H2S + 4H2O
    4

 土壌中における硫化水素の発生の必要条件は7つありすべて満たして、初めて発生の可能性が
 出来ます。(社団法人 石膏ボード工業会 資料より)

    1、液体状態の水  
    2、利用可能な有機物
    3、利用可能な硫酸イオン(硫酸化合物を含む)
    4、空気の欠如(嫌気的状態)
    5、硫酸還元菌の存在
    6、PH 4〜9
    7、最適な温度範囲 30℃〜38℃

 1、7については現場の状態によりますので可能性は否定できません。
 3については主成分が硫酸カルシウムですので必ずありますし2の有機物の存在も自然の土の中
 には必ずあると考えられます。4の嫌気性の環境も、通常土壌中には酸素がありますが鉄分の多い土
 や有機物の多い環境では吸収、消費され嫌気的な環境が出来ますし、地下水位が高くなれば水浸し
 になり嫌気的になりやすくなります。
 5の硫酸還元菌は、酸素が有る状況では生きられない偏性嫌気性生物でなおかつPH6.6〜8の中性の
 環境下で育ち、5に関係しますがアルカリ性の環境ではPH9くらいが限度となります。
 当社が出荷している先の土壌改良剤は石灰が主成分の物とセメントが主成分の物がありますが、
 どちらも一時的にはPH11以上の強アルカリになるため硫酸還元菌は死滅します。そのため土壌改良の
 現場では硫化水素の発生はないと考えられます。

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